なぜ「松竹梅」はめでたい? 伝承の中の日本人の心を知る講座「文様ゐろは」。

COLUMN

配信日 2017-09-18
記事提供 株式会社レポハピ

「松竹梅」はめでたいと言われるが、その理由をきちんと説明できる人は少ないのではないだろうか。昔からの行事・風習を受け継いでいるようでも、本来の意味を知らないことが多い。“行事は受け継がれるが、そこに日本の心はない”ということを憂い、染織図案家と着物デザイナーが講座「文様ゐろは」を開いている。和文化になじみのない人も興味がもてるように、文様にまつわる四季折々の歳時記や歴史的背景を教えている。夏の講座に参加してみた。

七夕はなぜ「たなばた」?“梶の葉に筆”は何の文様?

祇園祭の宵山の日、7月16日に京都・五条で「文様ゐろは 夏の講座」が行われた。テーマは「夏の歳時記と祗園祭」。身近な風習の意味を教えてもらうと、参加者は「へぇ~」を連発した。
例えば、七夕。中国の行事である乞巧奠(きっこうでん)が織姫・彦星伝説とともに伝わり、日本固有の棚機津姫(たなばたつめ)の信仰と結びついたとされる。だから、七夕は「たなばた」と読まれる。梶の葉に願い事を書く習わしがあり、梶の葉と筆が描かれたものは、七夕の文様。背景を知ると合点がいくが、まるで謎解きだ。掛け軸や着物なども「なぜこの柄が?」と疑問がわくときは、そこに隠された意味がある。日本文化は奥深い。ひとつの知識の鍵で次々と扉が開く。その鍵をこの講座では教えている。

※主催者の吉田泰子氏(着物デザイナー)と大内惣介氏(染織図案家)。

秋の講座は旧三井家下鴨別邸で。

講座「文様ゐろは」は、図案塾の代表・大内惣介氏(染織図案家)と副代表・吉田泰子氏(着物デザイナー)が、スタッフとともに手弁当で開催している。10年以上続くが、一時期ストップしていた。「日本人の当たり前の教養として、日本人の心とともに多くの人に伝えたい」と、「文様ゐろは」は今年の春、再開された。
次回の秋の講座は10月28日(土)に開催が決定している。内容は重陽や月見など秋の歳時記と文様について。場所は下鴨神社境内にある旧三井家下鴨別邸の2階。歴史的価値があり、重要文化財となっている建物だ。昨年10月に一般公開されたばかりという注目の場所で行われるので、満席になるのも早いかもしれない。気になる人は図案塾のサイトをチェックしてほしい。

※秋の講座は旧三井家下鴨別邸で行われる。

ところで、なぜ「松竹梅」はめでたいのか、教えていただいた。中国の蓬莱山伝説にまつわる文様で、常緑樹の「松」は、若くいきいきとしていることを表し、空洞で節のある「竹」は、腹心がなく徳のあることを意味する。一年の最初に咲く「梅」は、他者に先駆けていることを表している。そのような理由から、松竹梅は慶事・吉祥の象徴とされているという。ちなみに、松竹梅に優劣はない。寿司屋などの料理の序列は「並」と言うより「梅」の方が好印象と利用したものらしい。

※大内氏がデザインした秋の菊の図案。

図案塾
〒607-8125 
京都市山科区大塚西浦町13-3 春紅園内
メール:zuanjuku@kyoto-shunkoh.com

https://zuanjuku.wixsite.com/zuanjuku

取材・文/河本樹美

レポハピプレス編集部

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